ホームワーク
もうすぐ日付が変わろうかという時間。
カリカリとノートの上でシャーペンを走らせる音だけがする部屋でオレは一つ息を吐いた。
(クソッ!宿主め!)
金曜日。普段なら学校が終わり帰宅すると、休日にマリクや遊戯その他のオトモダチと遊ぶために宿題をすぐに終わらせる宿主なんだが、どうやら今回の休日は違ったようだ。
授業中に新作のTRPGのストーリーが頭に浮かんだとかで、帰った途端
「いい?!これが終わるまで僕に絶対話しかけないでね!!」
なんて言って部屋に閉じこもり、纏め買いしてた大学ノートにシナリオを書き始めやがったんだ。
最初はオレも呆れながらも応援してたワケだ。
他人を褒めるのは好きじゃねえがコイツの作る話の内容はなかなかのモンだしな。
だがな、時計の短針が三周しても机から離れようとしない宿主を背後から見ていて、流石のオレも焦り始めた。
やっと動いたかと思いきやトイレに行ったり冷蔵庫に飲み物を取りに行くくらいで何度も落胆したのを覚えている。
そして針が四周目を過ぎた頃、ようやく書き終えたのかノートを閉じて机に伏せたのを見て早々にチェンジを頼んでむにゃむにゃと目を擦る宿主と肉体を交代した。
逸る気持ちを抑えながらドアノブに手を掛けたところで、恐れていた言葉をさらりと言われたんだ。
(あっそうそう。そういえば僕宿題してないから後よろしくね!それじゃあオヤスミ〜☆)
一瞬何を言われたのか理解できなかったが、きっかり十秒後、オレはその場に崩れ落ちた。
だって……だってなぁ………
二日もマリクに触れてないんだぜ?!!!
………そんな理由で今に至るワケだ。
まだまだ終わる気配の見えないテキストをパラパラと捲くりながら、このまま寝てしまおうか…とも思ったが、頭を振ってその考えを掻き消す。
前に一度今回のようなことがあって、その時はやってやるものかと布団に潜り込んだ。まぁ自業自得だしな。
だが次の日の宿主の仕打ちときたら……思い出すのも怖ェ怖ェ。
『キミ、前に言ってたよね?体を借りてる宿賃を払ってやる、って。あの時の言葉…忘れたとは言わせないよ…?』
そうにっこりと笑って言う宿主に(しかしよく見ると顔は笑っちゃいなかった)、三千年以上生きてきたこのオレ様ですら背筋が凍るほどの恐怖だったのを覚えてるぜ…。
仕方がねェ、さっさと終わらせるかともう一度シャーペンを握ったところでドアの向こうに人の気配を感じた。
(マリク……?)
いつから居たのかは分からないがこの家に住んでるのは二人しかいねェ。いや、正確には四人か。
扉を隔てた向こう側のマリクの存在に思わず目が細まっちまう。コンコンという軽いノック音の後に、いいか?という声が聞こえた。
「どうしたマリク?入って来いよ」
足で床を蹴って椅子ごとドアに体を向け入室を促すと少し控えめに奴が入ってきた。
しかしそこにはいつもの自信に満ちた表情はなく、どこか照れくさそうにしていた。
あぁ畜生!コイツ、オレ様の前でそんな顔しやがって!!食われてェのか?!!!!
すぐにでも襲いかかって舐めしゃぶりてェ本能を必死で押し止め顔に出ないようにするが、相手はマリク。怪訝そうにこっちを見てきやがった。
「バクラお前いま何か変なこと考えてただろ?」
「!!!…クク、んなワケねぇだろ。二日ぶりにテメェに会えて思わず顔が緩んじまっただけだ」
「フン、嘘付け」
一応本音だったんだがピシャリと言われて少し悲しくなる。
あーあ、コイツに対するオレ様の愛のデカさにいつになったらこの坊ちゃんは気付いてくれんのかねェ…。
「で、一体どうしたよこんな時間に。見ての通りオレ様はお前のゲームの相手は出来ねえぜ?」
そう言ってわざとらしく肩をすくめてやる。
マリクは普段この時間帯、家のテレビゲームをしてるか既にベッドの中なので不思議だった。
「これ」
たん、と少し乱暴な音を立てて机の上に置かれた物に目をやる。
「マリク」
「お前らこの休みの間まともに食べてないだろ。……別に心配してるワケじゃないけどさ」
湯気を立てて皿の上にびっしりと乗せられていたのは歪な形をした白い握り飯だった。
海苔は何度も貼り直した痕があってお世辞にも綺麗とは言えないモンだ。
…だが形なんざ関係ねェ。
グールズの総帥をやってた頃からは想像もつかねえコイツの優しさは本来持ってたモンなんだろうな。プイと顔を背ける仕草に、堪んねえ嬉しさと愛しさが込み上げてきちまうのが分かった。
自分の腑抜け具合に気付いたがそれすらも幸せな気がした。
「それじゃ。味の保障はしないけど、さっさと食ってさっさと済ませて寝るんだぞ。オヤスミ」
マリクはそう言うとくるりと踵を返して部屋から出て行こうとした。って!ちょっと待て!
「もう行くのかよ!!」
「な、なんだよバクラ。ボクがいたって邪魔になるだけだから出て行くに決まってるだろ?」
細い腕をがっしり掴むオレにマリクは驚きを隠せないようだった。
「邪魔なんかじゃねえよ」
「…………」
互いにしばらく棒立ち状態が続いてたが、痛いっつうマリクの言葉にハッとして手を離した。
「オレ様が飯食ってる間だけでもここにいろよ」
「わがままだなお前」
「うるせぇ」
「…ハァ、分かったよ居てやる。でも食べ終わったら出て行くからな」
「あのなぁマリク。なんでそんなにオレ様に宿題片付けさせたいんだ?結果教師に何言われようがンなの宿主の自業自と」
「何言ってるんだよ!そんなの獏良が可哀想だろ!!!」
宿主の肩を持つマリクの言い放った言葉にオレ様はまた一つ大きなため息を吐くしかなかった。
**************
ふわりふわりと湯気が立つ。
オレは目の前に置かれた握り飯の山にごくりと喉を鳴らした。
思い返してみると肉体が宿主の物だった時間(つっても元々宿主の物だが)にアイツが口にしていたモンっつったらスポーツドリンクとゼリー飲料くらいだったな。
二心同体。同じ肉体を共有していれば宿主の身体に起こったことはオレに、オレに起こったことは宿主に、チャンジすれば引き継いじまうからな。
……だがオレの今のこの飢えるほどの空腹感は食いモンを腹に収めるくらいじゃ落ち着かねぇんだけどなァ……
一つ、山の上から掴んで口に運んだ。
「…ウメェ」
「ほ、本当か?!」
この家に来てからマリクが台所に立って料理作ってる姿なんざ一度も見たことねぇからきっと宿主とオレのを見よう見真似で作ったんだろう。
部分的にやけに塩辛いところもあったが、美味いことには変わりねェ。
素直に感想を述べてやるとマリクは大袈裟な反応をしちまった自分に恥じて口を尖らせていた。
だからマリクお前のそういう行動がオレがお前を襲いたくなる原因なんだっつーの。
二つ目を食べ終えて指に貼りついた飯粒を舌で掬っているところで、オレはふと今のこの状況が随分美味ぇシチュエーションだということに気付いた。
………気付いちまったら仕方ねぇ、体のほうはいつでも準備できてるからな。
こうなったら付き合ってもらうぜマリク…!
「なぁマリクよぉ」
「なんだよ」
次の一つを皿の上から取ってマリクに見せ付けるように不恰好な握り飯に口付けてやる。
「オレ様に食わせろ」
「…………はぁ?」
マリクから素っ頓狂な声が上がる。まァ普通の反応はそうだよな。
「だ・か・ら、オレ様に食わせろ、って言ったんだよ」
「何言ってるんだお前はっ!なんでボクがそんなことしなくちゃならないんだよ!!」
「お前だからだよ。テメェの作ったモンをお前に食わせてもらう、」
それがどんだけオレ様にとって幸せか分かるかァ?
強調して言ってやると褐色の肌がカッと赤くなった。ホント、どこまでも分かりやすい奴だな。
それでもまだ戸惑うマリクに、止めの一撃と言わんばかりの甘えた声で頼み込むとおずおずと近付いて来やがった。
ハッ!盗賊王のオレ様に不可能なんて文字は無いんだぜ!
「ほら、食え」
「ァン?」
いつの間にかオレが指で挟んでいた握り飯がマリクの手に移動していてそれが目の前に突きつけられている。
デスクチェアに座ってるオレに対して
180cmの長身から見下ろすマリクはスタンドライトの明かりに照らされて…正直怖ェぞ。
それにしても
「もっとこう『はいダーリン、あ〜んし・てv』とか気の利いたこと出来ねぇのかよマリク」
「はぁあ?!それが人に物を頼む態度か!!それに貴様はボクにそんなことを望んでるのか?!!!」
例えレアカードを出されてもやってやるもんか!と頬を膨らませて憤怒するマリク。さっきオレが言ったことを想像してみた。
……他の男がオレにそんなことをしてきたら即八つ裂きにして千年リングの力で闇に落としてやるところだがマリクなら…
っと、ついにやけちまった。
「悪ィ悪ィ、そういう意味で言ったんじゃねえんだけどな」
「絶対嘘だ…!」
ジト目で睨まれる。チッ、そんなんで怯むオレ様じゃねぇよ!
「ま、兎に角だ。そんな高い所から見下ろされて食わされたんじゃ美味い飯も不味くなっちまうってもんだ」
「…だったらどうするんだよ」
「ククッ…………こうすんだよ!!!!」
「え、な…うわぁっ!」
左手をマリクの腰に回して力任せに引き寄せ右手を股の間にくぐらせ左太股を抱えた。
不意の事にバランスを失った細く軽い身体をそのまま勢いで持ち上げる。
「なっ……!!」
「どうせやるんだったらこれぐらいしてくれたってイイだろ?」
マリクの腰に手を回したまま、手に持ったそれに齧り付いてやる。
バランスが崩れ目を瞑っていたマリクだが、開けた途端この状態に気付いて暴れだしやがった。
オレの股関節の上に沿うように太股を乗せている今、最中の時でなきゃ擦れ合わねェ所が擦れ合っちまって…
クッ、コイツ!無意識でやってんのか?!
「暴れんなっつうの、食えねェだろーが」
まぁ今は食えねェことよりも股間がヤベェんだがな…
尚も身じろぐマリクを無視してマリクの左手の中身を口に入れる。
一つ一つのデカさが半端ない握り飯がもう残り僅かになってきた所で、これを食い終わったらマリクのこの温けぇ身体は渾身の力で離れるんだろうなと思うと少し、いやかなり勿体無かった。
そんな事を思ってる内に後はもうマリクの細い指にこびり付いている物しか残ってなかった。
まぁいいか。指ごと口に入れちまえ。
「あっ…………」
「ン?」
目を瞑ってズルズルと指の味を堪能していたオレだったが、上から零れてきた熱のこもったマリクの声に顔を上げてみる。なんだコイツ、
「マリクお前、感じてんのか?」
ちゅぽん、と音を立てて口の中から指を出してやると銀色の橋がオレの唇とマリクの短く切り揃えた爪の先にかかる。
そんなワケないだろ!!と声を荒げるマリクの指に息を吹きかけると、浅黒い身体はオレの上で面白いくらいに震えた。本当にコイツはオレ様を飽きさせねェな。
「だよなァ?イシュタール家の生き残りの男ともあろうモンがこれくらいの事で感じるワケがねぇよなァ」
心の中でケラケラ笑いながら爪先から指へと舌を辿らせ指の股を丹念に舐めてやると、マリクの太股の震えがオレの股関節を伝って分かった。
「んぅっ…ふ…ッ」
下唇を噛んで必死に声を抑えようとするマリクにこっちまで興奮してきちまう。
熱を帯びたマリクの吐息に堪えきれず、オレのジーンズの下で主張するそれをマリクのまだ硬く閉じている場所に生地越しにグリグリと押し付けてやる。
指から伝う微弱な快感に身体を震わせていたマリクは、その刺激に首まで真っ赤に染まった。
「バクラっ…おま、え…っ!!」
「んん?」
「何デカくしてるんだよっ!馬鹿っ!盛るな変態!!!!!」
ンな潤んだ目で睨まれても更に興奮しちまうだけなんだがなァ。
「クク、何ってナニに決まってんじゃねェか。それにオレ様が変態だ?じゃあその変態に突っ込まれていっつもアンアン喘いで涎垂れ流しでイキまくってんのは何処のどいつだよ?なぁマリク」
「そんな…アァッ!」
耳元にフッと息を吹きかけハーフパンツの上からモノを握ってやると、胸を押していた手は一転して縋るようにオレのシャツを握ってきた。なんだマリク、もう十分過ぎる程おっ勃ててんじゃねェか。
このまま緩い愛撫ばっかで苛めてやるのもいいんだが
もう、オレ様が我慢できねえんだ
「はぁっ!あ、う、ハァ……」
マリクを抱き寄せ今まで目の前に曝け出されていた首に鼻を押し付けて匂いを嗅ぐ。なんだコイツ、もう風呂に入ってやがったのか。
宿主様のお気に入りらしい、柑橘系のボディソープの匂いとコイツが持つ元からの匂いが合わさって、オレは体内の血管がブチ切れちまうかと思った。
たっぷりと匂いを堪能しつつ熱をもつ首に痕を付けてやる。コイツは肌が茶色いから目立たねェんだが…それでもいい。オレだけが分かればいいんだからな。
「フ、堪んねェよホント…」
「バク、ラ……んむ」
首から顔を離して唇に噛み付く勢いで口付けてやるとマリクもノってきたのか、細長い腕をオレの背中に回してきた。
歯列をなぞってマリクの舌を絡めとる。顔の角度を変えてもっと深く。限界まで。くちゅくちゅという音が更にオレ達の熱を煽る。
二人分の唾液がマリクの口元から溢れ出した頃、ようやく唇を離してやった。
「は、ふぁ…」
「マリク、腰上げろ」
「や、バクラ、やだ…」
行為中のマリクの拒絶の言葉は全部イイって意味だ。
快楽に勝てる奴なんざいねェんだ。恥なんか捨てちまってコイツも素直になればいいのにねェ。
身体を少しだけ持ち上げてハーフパンツと一緒に下着ごとずらしてやるとビンビンに勃起して先端を濡らしたマリクのペニスが目に入る。…思わず唾を飲んじまった。
「もうぐちゃぐちゃに濡れてんじゃねェか。もしかしてイっちまったか?」
少し伸びているオレ(というか宿主)の爪をマリクの我慢汁が溢れ出している穴に立ててやると、隙間が無くなるほどに抱きついてきやがった。
「ぁあっ!イくわけ、ない…だろぅ…っ」
「そうこなくちゃなァ」
そう言って笑って、さっきからオレの手を濡らしてくるマリクの内から溢れた体液を指にたっぷりと絡めてまだ硬く閉ざした後ろへと指を運んだ。
くちくちと粘着音がマリクの荒い息と共に部屋に響く。
指も二本は余裕で入るようになってきたマリクの秘穴を弄り、前は竿を丹念に扱いてやる。あーあ、指の根元までずっぽり飲み込んじまってやがる。
「……っん」
指をずるり一気に引き抜くとマリクの身体が快感にぶるりと震えた。
「オイ、挿れるぞ」
ジッパーを下げて窮屈そうに身を潜ませていたオレの息子を取り出す。勢い良く飛び出してきたソレに可笑しくなった。
OK、今から最高のオアシスにお前を浸からせてやるからな。
しかしマリクから了承の返事がねェ。軽く意識トんだか?だが悪ィな。いくらオレ様だっていい加減我慢出来ねぇんだ。
くちゅ…と濡れた音を立てて完勃ちのペニスを挿れてやる。
「だ」
「だ?」
「めだ駄目だ駄目だ駄目だダメだーーーっ!!!!!」
「ぐあっ!」
亀頭の半分まで入った所でマリクの奴が暴れだしやがった。
おいテメェさっきまでの大人しさはどこへ消え失せた?!!!サイクロンか?!罠カード発動させやがったのか?!!
「マ、リク…!」
「不覚だがちょっとお前の雰囲気に流されてしまった…けどやっぱり駄目だ!その化け物をしまえ!やめろっ!」
「オィ化け物は無ェだろうがよ!こいつをブチ込まれたくて堪んねェクセに!」
「う、煩い煩いうるさい!」
「そんな必死に否定するってことはハイそうですハメられたくて堪りませんって言ってるようなモンじゃねえか!」
「ちっ、違う!いいからお前は早く」
「クソが!男がここまできて止められるかよ!!」
「ひっ?!ああぁああああっっ!!!」
掌は背を支え、左の二の腕を使ってマリクの右太股を持ち上げて身体を支える。開いた隙間からコイツの言う、化け物を一気に突っ込んでやった。
「はッ、ぁあああ……入って、くる……」
マリクは背を反らしながら、粘膜を押し上げて侵入するオレの熱の塊を受け入れていく。
黒のタンクトップを乱雑に持ち上げ目の前に差し出されたビンビンに勃起した乳首を口に含みながら、オレも肉壁の熱さを堪能する。
やがて重力に従って根元まで入り、やだ…とマリクが弱々しく鳴いた。全く、どこまでも往生際の悪い奴だ。
いいぜ、もうその口からオレ様の名前しか紡げないようにしてやるからよ…!!
乳首から唇を離し今まで愛撫していた方とは反対の乳首を左手で弄んでやり、右手でその形のいい尻を持つ。
そのまま思い切り腰を突き上げてやった。
「うぁっ、あっ、あ、あぁあっ!」
「ハッ、さっきまでの威勢はどうしたよマリク…」
奥まで押し込めると熱い肉はそれ以上の侵入を拒絶するように押し返し、引き抜こうとすると、待って嫌だと言わんばかりにオレ様のペニスに熱く絡まりついてくる。
本当にコイツはウメェ。堪らねェよ。
次第に繋がってる場所からぐちゃぐちゃとエロい音が立ち始めた。
揺さぶりながら、オレを呑み込んで皺が無くなるくらいに目一杯に拡がったソコをつぅっと撫でてやると、喘ぎ声を上げたマリクが熱く吐息を漏らし肩にぐりぐりと額を押し付けてくる。
「ホラ、やっぱりテメェの此処はお前と違って素直だよなァ」
「あ、や、バク…バクラぁ…!!」
「ドロドロに溶けやがって。いつだってお前はそうだ。最後にはオレ様に縋って奥の奥までチンポで犯されるのを望むんだからな」
「あっあっ、そんなこと…ないぃ…」
目尻から涙を溢れさせたマリクが頭を緩く振る。
傍目から見ると無理矢理犯してるようだが、そうじゃねえ。酷い言葉で何も考えられなくなるくらい犯されるのが好きなんだ。
コイツは自覚は無いし否定するけどなァ。
身体の間に挟まれたコイツのペニスも感じるままにとろりとカウパーを溢れさせやがった。
ヒャハハハハ!!
「好きだぜマリク…」
「バク、ぁう」
マリクが何か言いたげだったが唇を重ね言葉を飲み込んでやった。
熱い舌を引きずり出してやって強く絡ませる。口腔もコイツの性感帯だ。
「はァ、ん、バクラ…も、イくっ、イく…っ!」
無意識に腰を揺らめかせながらマリクはオレを見上げてきた。
クッ、コイツ急に締め付けてきやがった…!
「っ、あぁ、分かったぜマリク…」
扱く手を速めて、ぢゅぷぢゅぷぬちゃぬちゃと前後からの卑猥な音が大きくなる。
「ひ、い、バクラっ……やああああっ!!」
「マリクっ…!」
マリクがイったのを確認して、オレも二日間溜まっていた濃厚な精液をたっぷりと最奥に注いでやった。
□ □ □ □ □ □ □ □ □
「あーすっきりしたぜ」
「ボクはすっきりしてない…」
あの後、力の抜けたマリクの身体を支え二人して風呂に入った。
鼻歌を歌いながら髪を乾かしてやっていると、足の間にすっぽりと収まっているマリクが頬を膨らませてふてくされている。
「なんだぁ?まだ物足り無ェのか」
「そんなワケないだろ!ちょ、こら!揉むな変態!!」
「ぅぐっ」
鳩尾はやめろ鳩尾は!痛ぇな畜生…
「マリク………」
「なんだよ」
目を細めて、色素の薄いマリクの髪を指に絡める。甘ェな、ホント甘いぜ。
「そろそろ寝るか」
「……うん」
大人しく布団に潜り込んできたマリクを抱き締めると身体を寄せてきた。
「バクラ…ボクは知らない…から…な…」
「あ?」
チッもう眠りやがった。何を言おうとしたのか気になるが…まあいい、オレもそろそろ寝るとするか。
……………。
何か忘れてるような気がするんだが。
にこにこにこにこ
にこにこにこにこ
翌朝「帰ッタラ覚悟シトイテネ」と言った宿主の五割増の笑顔が学校で消えることは無く、オレは一日中祈りながら震えて過ごした。