禁断1



 ハァ…はぁ………


「今回のテストでは残念ながら全員赤点でした。明日までにこのプリントを埋めてきなさい」

「えぇぇぇええ?!」
「オイマジかよ!勘弁してくれって先せーい!」

“なぁ、絶対ぇ先生ってSだよな”
“たりめーだろ!ああ・・・あの人に俺、ムチで打たれてもイーかも…なんつって!”
“うわっおま、趣味悪ッ。あーでも俺も先生にチンポ踏みつけられてぇ〜〜っ”
“おいおい…でもよ、模試でトップクラスの委員長まで赤点なんだぜ?誰だって無理だろあんなの”
“でもそんなキツイ先生も…イイッ…!”


ああ、どうしてこう、救いようがなくてどうしようもないんだろう。
低脳で下劣な奴ばかり。

足がもつれそうになるのを堪えながらプリントを配って回る。コソコソと耳に入ってくる生徒の会話。
誰にも気づかれないようにハァ、と熱い溜め息と共に尻をひくつかせた。


(あぁっ…あと少し…)
カツン、とハイヒールの高い音を鳴らし、ごくりと唾を飲み込む。
あと4メートル…3メートル……1メートル…

カツ、
「はい、バクラく、」

ころん、と落ちてきた使いかけの消しゴム。
ボクは腰を折って、机の脚に身を寄せていた消しゴムに手をかけた。
「なぁ先生」
「な、に、バクラ君」

『スカートの真ん中、シミが出来てるぜ?』


顔を上げて消しゴムを持ち主に渡し、離れようとしたその刹那、ボクにも聞こえるか聞こえないかのギリギリの声で囁かれた。


その低くて甘い声……あ…ぁ…たまらない…






「んぐっあむッ……んうぅっうっんうっ」

夕陽に照らされて、ボク達以外は誰もいない教室───まぁ当たり前だけど。
この日の為に徹夜してあんな膨大な問題量のプリントを作ったワケだし。生徒には帰ってもらわないと困る。
ボクは全裸で四つん這いになり、一週間ぶりの熱いソレを喉の奥までたっぷり味わう。

「美味いかぁ先生よォ」
「あぶっ、んふ…あ…バクラ…くぅん…」
嘲られるのが嬉しくて、見下ろされるのが嬉しくて、雄々しく反り上がったペニスをちゅぽんと口から引き抜いてごしごしと扱く。
手が焼け爛れてしまいそうな、熱くて硬い彼のモノ。

「誰が止めていいって言った?」
「い゛っ、あぁっ!…は、いっ…はぅ、ン」

根元をぐりぐりと押さえながら、眼前の、血管を幾筋も浮かび上がらせた雄にキスを贈り上目遣いでバクラ君を見上げると、
上履きの先端でボクのだらしなく勃ち上がって涎を零すペニスを蹴られた。

…はぁっ…気持ちイイッ……

でも、このまま逆らってたら蹴り飛ばされて帰っちゃうだろうから、ボクは唾液まみれの舌を出してもう一度咥内に招き入れた。
一週間も待ってたのに、止められるなんて冗談じゃない。
グロテスクな彼の太いペニスを両手で支えながら、張った亀頭をちゅうちゅうと吸う。

「イイ子だな…マリク先生…」


きっとその言葉には何の意味もないんだろうけど。
嬉しくて嬉しくて涙が出そうになった。



ボクと彼がこんな関係になったのは、ボクがこの高校に赴任してすぐのことだった。
とある理由があってボクは女教師、ということで女装してここに来たんだけど。
まさか自分が教師になるなんて思ってもみなかったし(加えて女装まで…)、当時は仕事の勝手がよく分からなくて、
家でも…その、自慰、してる暇さえなくて。

ある日、ムラムラしたと思ったら急に股間に血が集まってきて、思わず生徒用のトイレに駆け込んだんだ。
男子校には当たり前だが男子トイレしかない。
でも流石にボクが入る前から(っていっても男なんだけど)女性の教師や清掃員はいたみたいで、
唯一職員室の隣には女性用トイレがあるんだけど。

でもその時のボクは早くゴシゴシと扱きたくて堪らなかったから。
放課後で残りの生徒も運動部がグラウンドで汗を流しているくらいだったから大丈夫だろ、って思ったから。

奥の個室に鍵をかけて、性急にスカートを捲り上げてストッキングと下着をずり下ろして。
びくんびくんと打ち震えるペニスを上下に擦って、ボクは待ち望んだ快感にここが学校ということなど忘れて足を大きく広げ背をタンクに預け喘いだ。

「ぁッ、くぅ……ふ…ふ…つぅ」

ニチャッニチャッくちゃぐちゃっ
「はァ…!ハァ…!!」
ガツ、ガツン

ボクは…ボクは、自慰に夢中になりすぎたあまり、いつもはピンと張っている緊張の糸を解いてしまっていたんだ。


「…ククク、センセイ?」

軽い笑い声で、ようやくボクを見下ろす存在に気付いた。




「んぶっ、んむっ!ンッンッンッンッンッ」

そして、ボクは脅された。
ボクが男だったということ。声を上げてあられもない格好で自慰をしていたこと。
全てを黙っていてやるから今後自分に従え、と。そう言われた。

「ふぅッ!ん、んむぅんぶっんッ!んぅううっ」
「どうだぁ先生、一週間ぶりのオレ様のチンポの味は?」

「ンふぅっ、ん、んうっ、ふぁい、おいひぃえふっ…!!」

弱みを握られたボクは、黙って頷くことしか出来なくて。

それからというもの、ボクは彼のいいなりとなった。
今日も一日中リモコン式のローターを後ろに入れたまま過ごせって言われたんだけど、
下着を穿いてくるな、だとか酷い時は媚薬を飲まされた後ペニスにコックリングを付けたまま授業しろ、なんて言われる。
口にビーカーを咥えさせられて犯されたことだってある。

朝がくる度にボクは怯え、絶望していた。
でも。


「ッ、先生?出すぜ…全部飲めよ?」
「うむぅッ!んっんふっ!んぅっんぅっ!!」

出して、出して出して出して!出して下さいっ!

バクラ君のペニスがぶあ、と膨れ上がったのを咥内で感じて、
ボクは痛む顎なんて無視してがむしゃらに頭を前後に動かした。


でも、いつからか、ボクは彼にそう扱われることが何物にも代えがたい幸福となっていることに気がついた。
男に犯されるなんて、多分バクラ君以外だったら相手を殺していると思う。
バクラ君、ボクにはバクラ君じゃなきゃ駄目なんだ。
彼のペニスをしゃぶることが、精液を顔に、服に、かけられることが。後ろを容赦なく犯されることが。
いつからか幸せになっていた。

彼は気まぐれのようで、毎日のように辱めの命令をしてきたかと思えば、丸々一ヶ月何も無かったりする。
その時は、気が狂ってしまうとさえ思ったくらいだ。
ボクってマゾ気質だったのかもしれない…。

本当は腰に抱きついてバクラ君の陰毛に鼻を埋めてフェラチオしたいんだけど、きっと許されないから。
我慢して、拳を床で握りしめて、顔を動かす。
ぐ、とボクの頭に乗せられた手に力が入った瞬間、

ぐびゅっ、びゅぐるッ

「んっ………んぅ〜〜〜〜〜……ッ!!!」

喉が火傷してしまうくらい熱い精液がぶちまけられた。

「ふッ…あー…やっと零さずに飲めるようになってきたじゃねえか」
「んう…あ、はぃ…」

こく、こく、
ボクは噛むようにして濃厚な精液を味わい、頷く。
わざと音を立てて飲み干すと、ボクの鼻のすぐ先で射精を終え半勃ちになっているバクラ君のペニス。
ボクから溢れ出た唾液とバクラ君の液体とで濡れている。ずるずるに。

(さっきまで頬張ってたのに…まだこんなにも美味しそう………ッ)

(あ、あ、あ、あ、あァ…!!!)

「…はァっ!あぁ、ふあ、」
「あー?」

もう、堪らなく愛おしくて我慢なんてできなくて。
ペニスを持ち上げて頬擦りした。
にゅるにゅるっ、にゅちゅうッ

頬が濡れる。気持ちいい。
鼻の奥にツンとくる雄のニオイ。ああ、気持ちイイ……!

ペニスどころか、その下の玉まで口に含んで柔らかく喰む。喰みながら舌でころころと転がす。
はあッ、あ、あ、美味しい…美味しいよぉ…

カチッ
ビィィイイイイイン…

「ひっ?!あアアアアア…!」
突然動き出したローターに、思わずしゃぶっていたバクラ君の陰嚢から口を離してしまった。
うあ…そういえば入れっぱなしだったんだ…

「マリク先生よォ、そんな勝手なことしていいって誰が言った?」
「ご、ごめんなさい…!ごめんなさい!ごめんなさい!」

バクラ君の手がボクの唾液まみれの汚れた顎を掴んで上に向ける。
数センチ先にはバクラ君の唇。…一度でいいから触れてみたい…
その赤い唇で、しこった乳首を嬲られたい
恥ずかしく勃ち上がったペニスを言葉で責められながら舐められたい…

ぐらぐらと揺れる思考の片隅でそんなことを考えていると、スッとバクラ君は椅子から立ち上がって乱れた下半身を整え始めた。
え、うそ、そんな


「飽きた。帰るわ」
「待ってッ」

何の感情も篭っていないその言葉に、本当に飽きられたのだと気付き、
ボクは自分の行った行為を悔いながらバクラ君の足にしがみついた。

「ごめっなさいっ!…う、もっ、しませんからぁッ…二度と、しません、からっ…!」

悲しくて、涙が出てくる。
スラックスにぐりぐりと顔を擦り付けて…絶対後で怒られるだろうけど、今はそんなこと気になんてしていられない。
だって、ボクのお腹はまだ満たしてもらえてなくて、疼いてる。
熱が爆ぜている。
熱いんだ。

「うっ」
「チッ…ならよォ、この机にへばり付いて自分でケツの穴拡げな。そしたらアンタの望むモンでハメてやるからよ」

髪を握られ引き剥がされたと思ったら、ボクは鈍い音と共に机に押し付けられていた。
勿論、頷く。
やっぱりバクラ君って…優しいな……