淫れる電車内
カラカラ、とアスファルトの上で踊る落ち葉。春寒の風に肩がすくむ。
少女はシフォンスカートを押さえ、もじもじと膝を擦り合わせながら頭上の電光掲示板を見た。
(う〜…早く来てよバクラ!電車来ちゃうじゃない!)
駅のホームに一人で立つ外国人の少女。
マリクは同棲中の彼氏であるバクラの到着を待っていた。
買い物に誘ったのはバクラ。
少し用事があるから、と先にマンションを出た彼は待ち合わせ場所の駅と時間と、それとなぜかマリクの服装を指定してきた。
(なんでこんな寒い日にこんなスカートなの?!コートもジャケットも駄目でカーディガンだけとか!馬鹿じゃないの!?)
マリク同様電車待ちの周囲の者達からチラチラと視線を感じる。
きっと私の格好が今日の気温と合ってないからだ…、とマリクは顔を羞恥に赤らめるが、そうではなかった。
薄い金色がかった髪に艶のある小麦色の肌。スカートから伸びた長い足。服を着ていてもはっきりと分かる程ボリュームのあるバスト。人目を引かないはずがない。
女性からは羨みの声も上がっていたがマリクには聞こえていなかった。
自分を一人で待たせる男を頭の中で罵倒していたからだ。
手を握って温めながら寒さを堪えているとアナウンスが流れてきた。快速電車がホームに入ってくる。
しかしまだバクラは現れず、何度電話をかけてみても呼び出し音が鳴るばかりだった。
(…ああっ!もう、馬鹿!最低!)
寒さと怒りでこれ以上待っておくことなど出来ず、かといってこのまま帰宅するのはなんだか惨めで。
(どこか入って温かいものでも飲んで、一人で買い物でも…しようかな…)
これはこれで惨めだな、と手の中の切符を握り締めて動きだした周囲に混ざって電車に乗り込んだ。
乗った時は比較的空いていた電車内は次の駅で夕方の仕事終わりの会社員が乗り込んできて、身動きするのも周りを気にしなければいけない程満員状態になっていた。
ガタンガタン…ガコッガタン……
一定のリズムで揺れながら電車はレールの上を進む。
乗り込んできた乗客によってマリクはドアまで押しやられ張り付くようになっていた。
(はぁ。嫌だなぁ)
車内はエアコンがこれでもかと言わんばかりに効いていた。
乗り込んだ初めのうちは凍えていた体に丁度良かったが、人数が増え人から発する熱によって背中に汗が浮かび上がるくらいの蒸し暑さに変わっていた。
元々あまり他人と触れることが得意ではない為すこしでも密着から逃れようとマリクは手をドアにつけ身を縮こまらせて耐えていた。
窓から見える外の景色だけが嫌悪感を多少癒してくれていた。
(ん、え…?)
しばらく電車の揺れに身を任せていたマリクだったが、ふと背後に覆ってくるような生温かい気配を感じ眉を寄せた。
(な、なにこの嫌な感じ)
「ねぇ、一人?」
「っ?!!」
背後から囁かれたのと同時に、年相応の張った尻肉を鷲掴みにされる。
思わず悲鳴を上げそうになってしまったが、ぐ、と歯を食いしばって俯いた。
「答えられないかな?俺、キミに訊いてるんだけど」
男は低い声で言いながら骨ばった大きな手でマリクの柔尻に指をめり込ませて揉み上げてくる。
ムッチリとした尻肉は程良い弾力で男を楽しませた。
「やめ、やぁッ、やめて下さい…っ!」
(ちっ痴漢!?や、いやあッ!!)
ぐにゅ、ぐにゅうッぐにゅっ!!
頭を緩く振るとヘアコロンの香りが辺りに漂う。
甘い香りは男の興奮を誘い、さらに力を込められてしまった。
その匂いが気に入ったのか、男は後ろからマリクの首筋と髪に顔を埋めて大きく深呼吸しだした。
「ヘンタイっ、あ、やめて…いやぁ…!」
「変態かぁ。ハハ、なら俺のこと、駅員にでも突き出すかい?」
「ひっ」
キミが出来るならね…?
そう言って男は両手で桃尻を左右に広げてくる。
出来ることなら自分にぴったりと張り付いて尻を揉む痴漢を突き出してしまいたかった。
もしくは大声を上げて誰かに助けてもらいたかったが、気の弱いマリクには注目を浴びてしまう二つの行動はとてもじゃないが無理だった。
となると、マリクはこの男が飽きてやめるか降りるまでただ耐えて待つしかなかった。
男はマリクと同じ駅から乗車していたのだが一目でマリクの性格に気付いていた。
そして、痴漢するには絶好のカモだと。
それから雪崩のように乗り込んできた乗客の波に乗ってマリクに近付いてきたのだった。
勿論マリクは知る由もないが。
俯いて唇を噛みしめながら堪える愛らしい少女に、口角を持ち上げて全部の指を使って尻肉を小刻みに揺らす。
「柔らかいお尻だね…大きくてあったかい。オッパイみたいだ」
「いやッ、やだぁっ…!」
マリクの怯えは体の震えへと変わり、男の手の中の尻肉もふるふる震えてしまう。
そんな自分を懸命に叱りつけて腹に力を入れた。
するとたっぷりとした尻肉は、きゅ、と締まり痴漢の手を拒んだ。
男はちゅむ、と淡く色付いた耳に口付けてひくついている下腹部に片手を回し服の上からうっすらと撫でさすった。
「ひャッ?!」
「力まないでよ…ほら、キミだって気持ちイイんだろ?エロいお尻から伝わってくる…」
力の抜けた肉をスカートの上から円を描くように撫で回される。
マリクにしか聞こえない囁き声と共に耳に息を吹き込まれ、嫌悪感と快感が入り混じった電流が背に走った。
(わ、私っウソ、感じてる……?!!)
そう思って意識してしまうと、マリクの可憐な膣口はキュンと疼いた。
もにゅ、ぐにゅ、と手加減なしに乱暴に揉まれたかと思うと、スカートを捲り上げられ手が中へと滑り込んできた。
「ふあ…っ!!」
小さめのショーツの上からねっとりと触ってくる手は蛞蝓を彷彿とさせ、全身に鳥肌が立ったマリクは窓に爪を立てカタカタと震えた。
魅惑的なパーツをいくつも持っているのに、その体つきとは違って消極的なマリクのギャップの激しさが余計男に興奮を与えてしまう。男は息を荒くしながらスカートに突っ込んだ手をショーツの中に滑り込ませ、人差し指と小指を鉤状に曲げて淡い色をしたサテン生地のショーツを引き絞った。
(いや!そんなのっやだッ!んあぁ…!!!)
パンティが尻の縦溝に食い込んでTバック状になる。
男の手を退けようと手を後ろに持っていくが、マリクが抵抗しようとしていることに気付いた男は指がかかっているショーツの布地を更に引き上げてきた。
それによって布が秘められた花びらにぎゅむぎゅむと擦れてしまう。
じくんと熱いものが溢れてくるのが分かった。
(だ、だめ、絶対に気付かれちゃだめェ…!)
尚も男はクイクイとショーツを引き上げてマリクに恥辱と快感を与えていく。
マリクの薄い恥毛が敏感な箇所に擦れてむず痒さが生まれてくる。
はぁっ…はぁあ…ハァ…
甘い吐息をはきながら、窓に額を押し付けたマリクは自身の指の肉を噛んで快楽を意識しないよう必死になって堪えた。
「んん?」
「ひうッ」
いつの間にか前に潜り込んでいたもう片方の男の手がマリクのふっくらした恥丘をショーツの上から撫でてきた。
「どうしたのかな。キミのパンツ、なんだか濡れてるけど」
「ち、ちがいますっ、あ、あ、ふぁあああ〜…!!」
「ほらほら…ぴちゃぴちゃしてきた。この歳にもなっておもらしかなぁ?」
男は中指を使ってショーツの上からクリトリスを重点的に攻めてきた。トロ、と陰部から流れ出てきた淫液が生地に染み込み、広がっていく。
勃起した肉芽をくりくりくりくり、とこねくり回されてしまい、ピリピリした痺れが腰に走ってしまう。
マリクからは見えなかったが、おもらし、と男に言われたようにスカートの中のショーツはぐっしょりと濡れていた。
(いやっイヤあッ!あ、あ、あああぁああァ!!!)
「濡れてて可哀相に…じゃあちょっとパンツの中のおしっこ、拭いてあげようか。ね?」
「えっ…?」
にちゅ………
「〜〜〜〜〜ッ!!!?」
「変なおしっこだね、ぬるぬるで指に絡み付いてくる。それにしても電車の中でこんなにもらしちゃうなんてなあ…恥ずかしくないのかな?」
「は、はうぅ…!!」
(いや…いやぁ…知らない人にアソコを触られてるっ……やだっやだぁ!やだっいやぁあ!!)
込み上げてきた涙が瞳を覆う。
嫌悪感しかないはずなのに熱を帯びている女性器。恐怖と悲しさと悔しさでマリクの心臓は潰れてしまいそうだった。
けれどそんなマリクの心情とは裏腹に、若い身体は更に濡れていった。
「拭いても拭いても止まらないねキミのおしっこ。病気かな、大丈夫?」
「は…!はァ、く、ううぅ…いやあ…!」
狭いパンティの中で男は巧みに手を動かしてきた。
あと一歩だ。
あと一歩でこの少女を堕とすことができる。
今まで何度も体験してきた、少女達が自分の手の内に堕ちた時の得も言われぬ快感を目の前に感じて、男は堪らず喉を鳴らした。
スーツの下で隆起したペニスを柔らかい双丘に押し付けると少女が歯をカチカチと震わせる。
ああ、これだから、たまらない。
この少女は気付いていないのか、スカートの下から仄かに立ち上ってくる生々しい雌のニオイに。
もしかすると周囲にもこの肉欲を掻き立てる淫らなニオイが香っているかもしれない。
この緊張感がやめられないんだ、と口角を持ち上げた男は指を動かした。
右手にべっとりと付着した少女の淫液を舐め取って味わいたい気持ちを我慢して、男は更に先へと進もうとする。
「止まらないなあ…もしかしたらキミのあったかいオマ×コに原因があるのかも。調べてみようか」
「!!?や、めて…!お願いしますっそれだけは許して下さい…!!」
懇願するマリクを無視し、下卑た笑みを張り付かせた男がトロトロに熟れたクレヴァスに指を入れようとしたその時だった。
『痴漢にしちゃあちょっとやりすぎなんじゃねェか…?』
「な、なんだアンタ、んぐぅッ?!!」
「ふぁあん、んぁ、ハァッ…?!」
ぬらぬらとパンティの中で動き回っていた手が突如抜け出ていき、マリクは慌ててスカートを直した。
歯を震わせながら恐る恐る背後に振り向いてみるも、男がいた場所を埋めるように人が流れ込んでくる。
でも、なんでいきなりやめてどこかに……まさか、誰かに気付かれて逃げた…!?
それともまた別の人を狙って…!!?
ぎゅうと硬く目を瞑るマリク。
下腹部に灯ってしまった熱と下着のぬるついた感触に膝を擦り合わせていると、ブレスレットを着けていたマリクの腕がきつく握られ人混みの中に引き込まれた。
「きゃ…」
思わず悲鳴を上げそうになったが、腕を掴む冷たいその手からは先程の男のような嫌悪感は感じられず、どこか安心感があった。
(ああ…この手は…)
残された片手を握り締めて、マリクは黙ってその手についていった。
ガタッガタン
何両も人の中を進んだかと思えば、先頭部のトイレに強引に押し込まれた。
「きゃっ」
「マリク」
「ば、ばくら、あ、あ、ふぇえっ」
入った途端物凄い力で抱き締められようやく顔を上げると、長い銀糸がマリクの視界いっぱいに広がった。
嗅ぎ慣れた匂いと聞き慣れた声。
目を瞬かせながら名前を口に出すと、ぽろ、と大粒の涙が次から次へと溢れてきて目の前の白銀の髪が歪む。
骨ばった広い手が頭を包み込んできて、顔をバクラの首元に押し付けられるとマリクは本格的に泣き出してしまった。
「えっ、うえェッ、こわ、かっ、た、ああ!バクラッ怖かった!ひっく、こわかったよぉ!!ばくらぁああ…!!!」
「すまねェマリク…ちゃんと守ってやれなくて…」
「うう、ん、うあっひっく、ぅ、げほっ、バクラッ、ばくらっ!!」
「もう大丈夫だマリク…オレがついてるからな」
むせび泣くマリクの背中を擦りながらバクラは後ろ手でトイレの鍵を施錠した。
「バクラ、ばくらぁ、ぁっあう」
泣きながら、マリクは自分を撫でているバクラの手をとってスカートの中へと招き入れた。
「さっさわられた、の、バクラ、きれいにして、おねがっアッ」
鼻をすすりながらバクラの白い手をショーツの上から割れ目に触れさせる。
ぐっしょりと濡れたサテンの生地。
「ッの野郎…!」
指先から伝わってくるその感触にカッと燃える憤りを感じたが、胸元のリボンを外し背伸びして口付けてきたマリクに、バクラは慌てて視線をマリクに戻した。
「おねがい、ねぇ、バクラにっキレイにしてほしくて、たまらないのっ」
だから、お願い……
か細い声でそう言いバクラを見上げてくるマリクは先程の痴漢からの中途半端な愛撫の所為か、腰が揺らめいている。
そんな恋人の様子にバクラは自分のペニスが、くん、と硬さを増したのを感じた。
「はァ、あぁあ…ぁふ、バクラ、バクラあ、ん」
(スゲェ…)
バクラは今さながら性に興味を示し始めた中学生の如く興奮し勃起していた。
ピンクに溶けた肉壷から匂い立つ女の芳香は噎せ返りそうなほどで。
最愛の恋人が二人きりの閉めきったトイレで、プラスチック製の便座の蓋に手をつき尻を高く上げて自らショーツを横にずらし秘部をさらけ出している。
それも、しゃがみ込んだ自分の目の前で。
マリクは振り返ってバクラを見た。
「あの、ね、手は中に入れられなかったけど、…く、クリトリスっぐりぐりされて、あっあうぅ」
「…ティッシュで拭くか?手か?それとも」
愛液を零してらてらと恥毛を光らせる秘部を見ていたバクラがマリクに目を合わせると、マリクのアナルがきゅっと締まった。
「舐めて、ほしいの…」
太股を擦り合わせながら消え入りそうな声で言った。
バクラは舌舐めずりしてゆっくりとマリクの秘部に顔を近付けて唇を触れさせた。
ぺちゅ、ぢゅっ
「きゃ、はう…あん……!」
熱い舌に盛り上がった肉を舐められマリクはトイレのタンクに縋り付いた。
ダイレクトに淫裂をなぞられると思い待ち構えていたのに…。
感じる物足りなさに子宮の奥がどくどくと疼きの悲鳴を上げてくる。
「あぁん、バクラ、バクラぁ……ッ、意地悪、しないでよぉ…っ」
「なに、が。どうされてぇか、言ってみろよ、マリク…なァ…?」
「や…あっんっんっ」
「オレ様が好きにやっていいんなら…黙ってな」
開脚した股の間から手を差し込んで濡れた陰毛を撫で、窄んだアナルにキスをした。
「ばっバカッあ…!あ、う、う、バク、」
「…マリク」
「おねがい、だからッわたし、の……ッえ、えっちな液の出てるトコっを……うぅっ」
「マ×コって言えよなあ」
「〜〜さっ!最低っバク、ああッ!あぁあ〜〜〜〜〜ッ!!!」
クク、とバクラの笑い声がしたかと思うといきなり愛液の溢れる膣口を吸われた。
ちゅうっぢゅるるッ
じゅッじゅッじゅううッ、ずずずずっ!!!
マリクのラヴィアとバクラの唇がキスをする。激しく吸い上げる中時折、舌で巧みに入口を刺激されると、マリクは場所を気にせず喘いでしまいたかった。
体を支える長く伸びた褐色の足の踏ん張りがきかなくなり腰を下ろそうとしたのだが、
「んっぐ…、どうしたァ…?ハ、腰下ろすなら全部下ろせよマリク」
「あん…ふ…ばかぁっ…!ヘンタイ…!」
少し膝を曲げたたところで秘部に顔をうずめている存在に気付いて、マリクは崩れ落ちたいのを寸での所で耐えた。
力が抜けてきているとはいえ、濡れた陰部をバクラの顔に押し付けるなんてきっと羞恥でどうにかなってしまうから。
ぢる、くちゅん、ずじゅっ、じゅぐうぅぅ…
床に膝をついて、バクラは愛液の溢れ出る源泉をずるずると夢中で啜っていた。舐めても舐めても、次々に新しい透明なジュースが湧き出てくる。何度も喉仏を動かして蜜を飲みこむと、化け物ともいえる大きさの底知れぬ性欲が掘り起こされるようだった。
顎を伝う愛液を気にすることなく強く吸い続けながら片手でマリクの丸い尻を撫で、ガチャガチャと荒い金属音を立ててベルトを外し、前を解放させた。
「ひゃう、きゃふっうんッ…!」
「ん、む、ぅん…ぐ…エロいぜェ…」
「ふッ…んきゅうっ!ハァッあ、あんっ」
控えめなレースに飾られたマリクの小さな下着を太ももまでずらし、淫唇を左右に押し広げた。薄いサーモンピンクの中心に、ぱっくりと開いたザクロ色の膣口が露わになる。
バクラ、と小さく声に出して開いた口から舌を出したまま肩越しに振り向くと、二つの獣の瞳と目があった。
名前を呼ばれ顔をマリクに向けると、情欲にまみれたアメジスト色の瞳がトイレの照明で輝いていた。
互いに、なんて切羽詰まった表情だと思った。
「ハァッはぁっ、はあ、すげェ、締まる…ッ!」
ぱちゅんっ!
ぱちゅッぱちゅッぱちゅッぱちゅッ!
パンっパンッ!!パシッパシンッッ!!
ズンッずぶんっ!ズバンッ!!
薄いゴムを被ったペニスがマリクの体を、膣を突き上げる。
便座の蓋に手をつけたまま、激しい揺さぶりに電車の揺れが相乗してマリクは短く呼吸するしかなかった。
「あッん、はあっはあっはあっ、きゃうぅ!あっあっアッだめぇっ…ふぁあん」
「…ぁ、マリ、クっ…ハァッ」
「あッねぇっ、なっ、なんでっバクッあ…あんっゴ、ゴムなんて持ってたの…?」
がくんがくんがくん
揺さぶられながら、マリクは何故バクラがコンドームを持っていたのか不思議で仕方なかった。
普段ゴムを使用することも少ないというのに、そんなバクラが持ち歩いている?
「んっ、ぁアッ?…ナマっでっ、ハメた方が良かったか?ククッ…」
「そういうことじゃなくてっ!あうっ?!あっああぁぁっあぁんっ!!」
「ッ、ヒャハハッ」
いつものようにはぐらかされてしまうのだ。快楽で、巧みに。
問いただすのは後回しにして、マリクも今はセックスに浸ろうとブラのカップに手をかける。
プルンッ
揺さぶられる中、フチを掴んで性急に持ち上げると、赤く膨れた乳首とたっぷりとしたやわらかい乳房が露わになる。片手を蓋についてバランスをとり、上半身をくねらせて両乳房を露出させた。
たぷったぷんたぷんっ
やわらかい肉脂肪が前後にたぷたぷと運動を繰り返す。
しばらく肉同士のぶつかる音と胸の揺れる音を聞いた後、バクラは腰を動かしたままマリクの乳房に触れるか触れないかの場所に、包み込むように手のひらを持っていった。
「…?っはうっ!!きゃ、あぁぁんッ!」
「はっ、ハハッ、どうしたぁ?」
意地悪く言われマリクの膣がきゅんきゅんと鳴き、受け入れている肉棒を締め上げる。
揺れる乳房の敏感すぎる先端が、バクラの手のひらに不規則に擦れてしまうのがたまらなく切なかった。
「あっあんッ、おっぱいが」
こすれるの。
そう言おうとした瞬間、後ろのドアから軽いノック音が鳴った。
「ッ!!?…んっんんぅっ…!!」
「チッ……」
腰のグラインドを緩やかにして、ドアを隔てた向こう側の様子を窺う。その間もマリクは焦れったい甘い出し入れに膣壁を収縮させていた。
狭いトイレの中は精のニオイと二人の緊張で満ちている。
「ばくっ、だめ、腰っとめて…!」
「ァア?いいじゃねえか…」
トントン、トントントン!
『…すいませーん。入ってるんですかー!?』
一向に出てくる気配の無いバクラ達に、痺れを切らした様子の乗客が少し声を荒げながら言った。
マリクは口に手を当て漏れ出そうになる声を必死に我慢していると、バクラがちゅむ、と耳に唇を付けてそっと囁いてきた。
『言ってやれよ…はァ、入ってます、って、な』
『…!?なっ、むり、無理ぃ…!』
『言えってマリク…なぁ……?』
「〜〜〜〜〜〜ぁんっ!」
こつんっ
膣肉を掻き分けゆっくりゆっくりと最奥まで潜り込んできたペニスの先端が子宮口に当たり、甘すぎる快感に思わず声が出てしまった。
流石にまずいと思ったマリクは、バカ、とバクラに一言言って声を上げた。
「ごめっなさ、あ、入ってます…!」
くちゅんくちゅんくちゅんっ
膣を自由に出入りされ、結合部から水音が鳴る。
『ほら…、「おっきなチンポが入ってるんです」って言ってみろよ…』
「ッ!ごめんなさいっ!お、お腹壊してて…!あ、うう、ごめんなさい…!」
半泣きで、喘ぎを抑え懸命に声を絞り出すと、ドアの前の気配が消え足音が遠のいていった。
ホッと息をつく暇もなく、先程まで動きを抑制していた反動かガツガツと腰を動かし始めたバクラに胸も乱暴に揉みしだかれる。ラストスパートがかかった。
「はあっ!あん!あッひゃうっ!いやぁあ、あ、だめェッ…!!激しっ…おっぱいっおっぱいぐにぐにしないでよバクラぁ、あぁん!」
「テメェ、エロすぎんだよっ…!さっきも嬉しそーにナカ締めやがってよ!!」
バチュンッバチュッバチュッ!じゅっじゅぶっじゅぷんっぐぶッくぷっ!じゅぐうっ
「あ〜〜……ッ!だめェっだめ、イ、イく、あはぁ!イッちゃう!!もうイッちゃうバクラっはぁああんっ」
びっしりとヒダが敷き詰められた熱い膣がうねり快感を露わにしながらキツくペニスを絞り上げてきて、バクラはごくんと唾を飲み込んで興奮で真っ赤に染まった、もう何も考えられない頭でガツガツと子宮にペニスを突き立てる。
「マリクッマリクッん、はぁっンンッ、……ぐ、あぁあッ…!!!」
「きゃふっ?!あっあっだめっだめっだっめ、あふ、ん!あん、いく、いぅッ……あぁぁああ…――――――ッ!!!!」
声は出来る限り抑えつつマリクは突き上げの激しさに耐えきれずにイッた。
バクラもまた、痙攣するマリクの細い腰を強く掴んで、ゴムの中に全てを吐き出した。
「ほらよマリク」
「え?」
終点の駅はもう近かった。ブラを着けなおしているとバクラから小さな柔らかい生地を手渡された。
それは、マリクがもう何度も身に着けている、
「ちょっと、え、これッ私のショーツじゃないバクラ!!」
「あ?あー」
「ッコンドームもっ下着もっ何で持ってるの!どういうことなの!ねぇっ!」
確かに、たしかにさっきまで穿いていたショーツはぐっしょりと濡れていたから穿きたくなかったけれど。
おかしい。コンドームといい、あまりにも都合が良すぎる。
「説明ッ、してよ」
ショーツを握り締めて、キッと睨み上げる。
「……」
「言えないの…?」
眉を寄せて黙ったままのバクラに、言い知れない不安が募り出す。たとえば、私を買い物に誘っておきながら、私との約束はすっぽかして本当は他の女の人の所に行こうとしてたとか……だって一緒に住んでるのにわざわざ駅で待ち合わせなんて、しないよね……
一度そう思ってしてしまうと、嫌なイメージが頭から離れてくれない。
バクラの服の裾をぎゅっと握ると、前髪を掻き上げたバクラが意を決したように口を開けた。
「……絶対ェ怒らねえんなら…言う」
「…バクラ?」
「どうなんだよ」
なんで私が睨まれなくちゃいけないのか。納得はいかないもののマリクは勢いで頷いた。
「ゴムは家のがきれてたから用事ついでにお前との待ち合わせの時間の前に買ってきたんだがな…それでちっと遅れちまったんだけど」
「まぁ、下着はアレだ。今日は趣向を変えて痴漢プレイしようと思ってたからな。それで替えの下着持ってきてたんだが…あのゲス、オレ様より先に手ェ出しやがって…!!」
「…ねぇバクラ」
マリクは手渡されたショーツを穿き、べとべとのショーツをハンカチに包んでバッグにしまった。
「しばらくエッチ、禁止ね」
「絶対禁止だから」
やけに冷めた声が出たなぁと自分でも思いながら、バクラの手を引いて電車を降りた。
さて、何を買ってもらおうかな
背後でなにやら文句を言いまくる恋人を無視して、マリクはお気に入りのブランドの店が入っているビルへと足を速めた。